2017年5月22日月曜日

客室清掃パートのコツと考え方

 前回の話で、ビジネスホテルのシングルルームの客室清掃について、経営者からみた清掃パートの”人並みとは4時間で12部屋以上を客室としてホテルに提供できる状態にすることができる能力”と定義したが、今回は、これをもっと掘り下げてみたいと思う。これは、時給800円程度で4時間で12部屋は仕上げてもらわないと、会社的には赤字でパートさんの給料を生み出すことしかできない状態であるためだ。
 実際うちのパートさんたちについてみると、最初かなりもたついて、がんばっても8部屋ぐらいしか仕上げられない人が多い。だけど1年くらいやってるうちに、トラブルがなければ12部屋を仕上げる職人になっているケースが多い。

 この現象は、人間の自然な心理で生まれるのだ。

清掃のパートなので、家を掃除する延長の仕事と考えて入社する。
清掃のパートなので、とにかくきれいにすることを考えて仕事をする。
清掃のパートなので、清掃することが仕事だと考える。
 つまり、客室清掃という名前で求人するので、普通は清掃のパートだと考える。そして、きれいにすることだけを考えて仕事をする。これは、人間の至って普通の心理である。だけど、実際には、お客がチェックアウトしてからチェックイン時間までに、部屋を仕上げて、お客がお金を払って泊まれる状態にしてからホテルに提供する仕事なのである。
 客室を製品、つまりパン屋さんならパンみたいな商品として考えなければならない。
決められた時間内に、商品をお客のオーダーに合わせて作って提供する。この流れは、

清掃業ではなく製造業

なのである。きれいにすることは大事だけど、まずは計画された部屋数を決められた時間内に仕上げることが最優先である。この心理に気づくと全く別次元の仕事ができるようになる。これが、この仕事の最大のコツである。
次回に続く

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